Kenji Hashimoto Orthopedic Shoe Makerで革靴をオーダー

外反母趾に悩む革靴好きのブログ主、もけです。

足に合う既製靴になかなか出会えない私は必然的にオーダーを検討することになるのですが、それならば足の構造に造詣が深いところにお願いしようと候補を絞ってきました。

2013年に開業した『Kenji Hashimoto Orthopedic Shoe Maker』(以下、KHと表記します)にオーダーを決めたのは、整形靴技術者の経歴を持つ橋本健児氏がワンオペレーションで仕立てるビスポークシューズ、という点に興味が湧いたからです。

機が熟すまで(資金不足ともいう)5年掛かることになり、個人的には″悲願の”オーダーとなりました。

KHに関心のある方、オーダーを検討している方の参考になれば幸いです。

もくじ

神戸の工房を目指して

KHは年に数回東京で受注会を開催しています。

関東圏在住の私はそれを利用するのが無難なのですが、工房でしか対応できないこともあるようなのでオーダーするなら神戸に行くと決めていました。

連泊して神戸散策を楽しみたいところですが、低予算なので日帰りオーダーを決行。

予約した時間の10分前に到着しインターホンを押すと、橋本氏が出迎えてくれて遠征を労ってくれました。

顧客の木型や製品サンプルが並ぶ縦長の空間は、まさに工房といった雰囲気です。

入口にほど近い椅子に腰掛け、用意されたアンケートに回答します。
内容は足の悩みや靴に求める優先順位、オーダー経験の有無等々。

回答が終了したらそれを元に橋本氏とヒアリングを兼ねた会話をしました。
拙い自分の言葉を橋本氏が上手に汲み取ってくれながら内容を明確にし共有していきます。

ちなみに橋本氏とは今回が初顔合わせなのですが、会う前の印象は隙がないと言いますか、理論派な感じがして波長が合うのか正直不安がありましたが、話しやすく普通にいい人でした(笑)。

続いて足の計測です。まず靴下を履いた状態で

  • 触診
  • フットプリント
  • メジャー採寸
フットプリントと採寸データが書き込まれた紙

次に素足になって

  • 専用台に乗って底面の撮影
  • 足(と脚)をあらゆる角度から撮影
底面撮影用の台(ピンボケしてます)

これらを元に評価された足の現状がこちら

  • 量感のある足
  • 足囲は右3~4E、左2E相当
  • 横アーチが崩れて開帳足
  • 外側面の肉が多い
もけ@ブログ主

他にも言われた気がしましたが…忘れました

「簡単な足ではないが、類似した他顧客のデータがあるので大丈夫」と言われ頼もしい限り。

KHの木型タイプは、ベースラストを修正する基本プラン『カスタム』と、足を採型し専用ラストを製作するオプションプラン『キャスティング』の2種類があり、橋本氏の提案はカスタムでも対応可能との事。

実は神戸オーダーにした理由のひとつに、キャスティングは工房のみ対応という点でした。
もし東京受注会に行ってキャスティングを推奨されると二度手間になると考え、どちらも選択できる神戸行きを実行したのですが結果は杞憂に終わりました。

両プランの見積もりをしてもらった上で出した結論は、せっかく神戸に来たので外反母趾の強い右足だけキャスティングをお願いすることに決定。

採型の準備をする橋本氏

足裏の型を取るトリシャム(上写真にあるグレーの四角い箱)と石膏包帯を組み合わせて右足を採型をします。

石膏がある程度硬化したら採寸への影響が低い甲部を割いて足を抜きます。

採型された右足

橋本氏によると今はこれがベストな方法との事。

他の工程でも常に試行錯誤を重ねておられるようで、たとえ以前の方法に戻すこともあったとしても「前のやり方で良かったと気づけたことで確信が深まるからムダでは無い」と現状に満足せず前進する意欲のある職人なのだなと感じました。

工房前の道路で通常歩行のチェック、靴の仕様決め(デザインと製法、ソール素材のみ決定しアッパー等は仮合わせの時に詰めることに)、疑問点の確認と前金の支払いを済ませて今回は終了。

約3時間ほど掛けたオーダーでしたが、様々な採寸アイテムや型取りを経験できて楽しかったし、橋本氏の人柄も知ることができたので気持ちよく工房を後にできました。

南京町の中華街へ

四半世紀ぶりにいただきました

元町駅に途中下車、寄り道してから帰路に向かいました。

さよなら神戸

次回の東京受注会で仮合わせを行う予定。
楽しみが増えました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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