LIGHTBULBでMTMシューズを初オーダー【⑤本靴完成/後編】

義肢装具士の野口達也氏がラスト(木型)設計し、靴職人の外林洋和氏とタッグを組むビスポークシューズブランド『LIGHTBULB/ライトバルブ』。

革靴が好きだけど外反母趾で悩む私が出会った期待のブランドです。

MTM(Made to Measure)でオーダーした靴が完成・納品されたのでレポートします。
今回は後編「フィッティング・履き心地」について。

LIGHTBULBでMTMオーダーを検討している方の参考になれば幸いです。

LIGHTBULBのMTM靴完成までの流れ
  • iD-FOOTによる足の採寸
  • フィッティングシューズを履く
  • デザインと仕様の決定
  • 仮靴の試し履きと検証
  • 仮靴の情報をフィードバック
  • 本靴完成・納品
もけ@ブログ主

今回の記事は⑥を中心とした内容です

過去記事はこちら↓

もくじ

フィット感と履き心地

LIGHTBULBの真骨頂である履き心地は、完成品でどのように深化しているのでしょうか。
仮靴の時点でもポジティブな点が多かったので期待値は上がってしまいます。

仮靴との比較も交えながらまとめてみました。

もけ@ブログ主

個人の感想です、予めご了承ください

改善点の修正

まず、仮靴を履いた時に修正希望した箇所を順にチェックしていきます。
外で履き下ろす前、室内で履いた時点の所感です。

トップライン

もっとも改善を切望していたのがここです。
仮靴のときは踝(くるぶし)下の皮が剥けたりして、少しモチベーションが下がりましたので。

結果はパターン修正がしっかりと反映されており、全く当たらなくなりました。

仮靴
本靴

仮靴と本靴の写真を並べてみました。
写真の角度が若干異なりますが、本靴は踝にかけてのラインが低くなっているように見えます。

これでひと安心です。

甲廻りの余裕

仮靴は外反母趾部分に配慮し、圧迫感が出過ぎない方向でつくられました。
私からのフィードバックを元にラスト修正することが前提の「あえて」な仕様だったわけです。

仮靴との比較をしてみましょう。

仮靴
本靴

あれ?
変わっていないような気が。

仮靴(右足)
本靴(右足)
仮靴(左足)
本靴(左足)

キャップがあるデザインはシワが一極集中しやすいのですが、加えてスエードの柔らかさで屈曲時のシワがより深くなったような(痛くはない)。

「????」が頭上に拡がったので、LIGHTBULBに確認してしまいました。

返答は本靴でも外反母趾部分に圧迫感が強く出ないフィッティングに振ったとのことでした。

  • 拇指部の痛みに繋がりにい絞り設定
  • かつ、踵の脱げ感は抑える
  • 木型形状として問題(無理)はない

上記を考慮してラスト修正を実施されたそうです、なるほど…。

もう少しタイト目に修正されるだろうと勝手に思っていたので、少し拍子抜けしてしまいました。

いや、LIGHTBULBはまったく悪くないです。むしろ攻めた修正によって痛くて履かなくなっては本末転倒ですしこの判断は間違ってない。

改めて自分の足の現状を思い知り、少し切なくなりました…。

右踵の追従

現時点では仮靴と大きな違いを感じられず、足の動きに靴が遅れてついてくる印象です。
まだ馴染みがなくソールも硬いので、今後改善されることを期待しましょう。

ともあれ1足目ですし、次回への完成度向上のためにもたくさん履こうと思います。

履きおろしインプレッション

2回ほど街中を歩きました。
歩行距離約11km/14,000歩の所感です。

中底の凹凸

歩き始めに感じたのは、足趾つけ根辺りの凹凸感。
LIGHTBULBのトータルコンタクトラストは、足にかかるストレスを分散させるための様々な工夫がされていますが、他の靴と明らかに違いを感じるのがこの部分ではないでしょうか。

歩行時の動きをサポートしてくれそうな中底の起伏(底面設計)に何だかワクワクします。
そんな凹凸も、3,000歩を超えたあたりで気にならなくなりました。

履きおろしでも硬くない

一般的なグッドイヤー製法より明らかに返りが良いダイレクトグッドイヤー製法とスエードアッパーの柔らかさで外反母趾部分の痛みは皆無です。

言わずもがな、革そのものが馴染んでいないゆえの当たりはありますが、そこは時間が解決してくれるので総じて良好といえるでしょう。

固定しすぎず不安定さがなく脱げない

LIGHTBULBのラスト設計には上記のフィッティング思想が含まれているのを最近知りました。

私の靴がリラックスフィット(勝手に命名)に仕上がっているのは、自分の足の形状が原因なわけでもないようです。

実際に歩いてみると右踵に追従の遅れが若干あるものの、靴の中で足が泳ぐようなことはなく、むしろ履き終わった後によく感じていた足裏のダルさが少ないように思います。

今後異なるコンセプトのラストが派生するかもしれませんが、私はリラックスフィットを好意的に受け止めています。

網掛けまで伸びた芯材も不安定さ解消に寄与しているのか

全力サポートという安心

この先の懸念として「深い折れシワがアッパーの耐久性に影響を与えないのか」「靴ひもをもっと締めたくなったらどうするのか」という考えは浮かびます。

LIGHTBULBからは、些細なことでも遠慮なく相談して!と云われていまして「靴のことは俺たちに任せて、気負わず革靴を楽しんでね」というメッセージを感じたのであまり心配していません。

経過報告は追記していく予定です。

【結論】フィッティングを再考する革靴として瞠目に値する

前後編にわたって『完成編』をお伝えしました。

深い知識や文章表現力が無いので味噌汁の上澄みのような内容になってしまいましたが、LIGHTBULBのことが少しでも伝わっていたら嬉しいです。

フォルムの好みや予算の都合があると思いますが、履き心地のいい革靴を求めている人や私のように足の悩みを持った人は、とりあえず試し履きしてみることをおすすめします。

  • ゲージ靴が常設された東京・浅草橋の店舗
  • 東京や大阪などで開催される受注会
  • リモートによるゲージ靴の貸し出し

試し履きする手段はいろいろありますので「いままで履いた靴と何か違う」を体感していただけるはずです。

私はLIGHTBULBと出会って革靴難民からようやく抜け出せそうな気がしています。

もけ@ブログ主

さて、2足目の資金繰りをしなくては…やれやれ(嬉)

最後までお読みいただきありがとうございました。

みなさまステキな革靴ライフを!

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